壊れてしまった世界をやさしく包み込む。
その手は小さかった。
積み木をおぼつかない手で組み上げるように、
彼女らの大好きだった世界をそっと作り直している。
一瞬の終わりだった。
ボクは自分の頭に思い込ませる。これが最善だったのだ。
彼女は酷く穏やかな笑みを浮かべていた。
何もせず、ずっと彼女を見つめ続けるボクに、彼女は優しく問うてきた。
「ねえ、Abyss?」
「なんだい、Miss」
「次の"私"は、Allを幸せにできるかしら」
「できるさ、そのための行動だったんだから」
彼女を手伝うように、ボクは世界に手をかけた。
もしも駄目なら、その時は。
ボク達はまた、この世界を作り直すのかもしれない。
そうして業は積み重なっていく。
まるで、子供の積み木遊びのように。