Story





赤の女王様のお城では、いつもわいわいがやがや、おおわらわ。
今日も鏡の国の宰相が、すっとんきょうな叫び声を上げています。





もうすぐ鏡の国には「アリス」がやってくる時期なのに、
女王様がいなければゲームをはじめることができません。
宰相はあわててお城をとびだして、
女王様を探して国中を跳ね回ります。





問われた伝令、のんびりお茶をたのしみながら、
にっこり笑ってこう言いました。





泣く泣く道を引き返し、
宰相は国の奥までぴょんこぴょんこと跳ね回ります。





問われた卵、むずかしい本を閉じるなり、
にっこり笑ってこう言いました。





泣く泣く道を引き返し、
宰相は国の奥までぴょんこぴょんこと跳ね回ります。





そうして町を駆け巡り、
息も絶え絶え 疲れ果て、
涙も枯れて 乾くころ、
ひとりの女性がやってきます。





そうして赤の宰相は、白の女王に連れられて、
立派なお城へと向かいます。





inserted by FC2 system