Story

これは、歌が人を統べる力となっているとある世界でのおはなし。

人間以外にも獣人や妖精など人ならざる者たちが共存するうつくしいその世界では、 各国の王が歌の力を使ってひとびとを支配しています。
そこかしこでは美しい歌姫の旋律や、踊り子たちの楽しげな舞、楽師たちの奏でる豊かな音が世を照らしていましたが、 ある日突然、人々がむせるような薔薇の香りと微かな鐘の音にたちまち眠りに落ちた後…
目を覚ましたときには、世界からはすべての歌が消えてしまいました。

世の中には不思議な力を持つ、悪い「魔女」がいるといいます。
歌が消え、少しずつ荒れた世界を正しながら、騎士ヨハネスはこの世から歌を奪った魔女の謎を追いかけていきます。

World

大規模な戦争は行われていない、表面的には平和な国々。
人間のほかに、「獣人」と呼ばれる半獣半人の種族や、妖精などが存在する。
魔法はあるが一般的なものではなく、いわゆる「呪い」のような種のものであるため、それを行使する者は「魔女」として忌み嫌われる。 大抵の魔女は森の奥に隠れ住んでいるらしいが、「鐘鳴りの魔女」だけはアンティフォナの王子に仕えているという噂。

歌が世界の中で大きな力を持っており、各国の王は歌によって人心を掴んでいる。
今回の物語では魔女の呪いによって世界中から「歌」という存在そのものが消えてしまっているため、世界全体が不安定な状態に陥っている。

ポリフォニア

「緑とそよ風の国」と称される、自然に囲まれた豊かな国。
歌声によって国が守られていた。
主人公・ヨハネスが任務から戻ってきたときには、なぜか国中のなにもかもが石にされていたが、 正確な原因は不明。魔女の仕業によるものと考えられている。
また、ポリフォニアが石にされたと同時に、世界中から「歌」が消え去り、 石化した国を戻すための歌もわからない。
その歌声があまりに人々を魅了してしまうことから塔に軟禁されていた姫君・ ソプラニスタ=ロッテが石と化した国王に代わり玉座に座している。
歌姫ソプラニスタ=ロッテにはかつて兄王子がいたらしいが、現在は消息不明。死んだとも言われている。

イムヌス

ポリフォニア国境を出た先にある町。
石造りの高い塀があちこちに作られ、迷路のような入り組んだ道が絡み合っている。
貴族と商人、そして平民が混在するその町は、 横暴な領主によって治められ、貧富の差がとても激しい。
平民たちの心のよりどころになっているのは、丘の上にある孤児院を運営する院長様。
心優しいと評判の彼だが、町の一部の者からは彼の黒い噂を聞くことができる。
最近、孤児院から逃げ出してきた子供達が、柄の悪い連中によってどこかに連れ去られているといわれている。

ミンネサング

大陸の北西にある。広大な海の臨める水の王国。
世界中の物資や食料の流通がなされており、非常ににぎやかな土地。
集まるのは物資ばかりではなく、さまざまな種族の者がやってくる、 開かれた王国でもある。
それを治めるのはまだ若き少年王であるが、 その気さくな性格から、国民のあたたかな支持を受けて平和な国を築いている。
最近人々の噂に上るのは、その少年王の恋のお相手。
やさしく賢い若者の心を射止めたのは、 性根のやさしいひとりの花売りだという。

セクエンツィア

妖精たちの暮らす深い森。
人間が一度入れば出ることはできないといわれるほど、迷路のように入り組んでいる。
森の奥には巨大な大樹がそびえたち、妖精たちの宿木となっている。
一説によると、その大樹自体が意思を持っており、妖精たちはその大樹に従って生きているという。
妖精たちはその大樹を「長老」と呼び崇めている。
妖精は人間の知らないことをたくさん知っており、 この歌の消えた世界の中でも、呪いの干渉を受けることなく自由に歌うことができる。
ただし、好奇心旺盛で気まぐれなので、 彼らに知恵を授けてもらうには、彼らのご機嫌をとるためのものを用意しなければならない。

シルヴェンテス

獣人の住まう、岩で囲まれた集落。
彼等は人間のような繊細な細工物こそ作れないが、 とても力持ちで、うつくしい毛並みとその瞳はこの世の至宝とも言われている。
藁葺き屋根と煙突のついた家々が立ち並ぶ隠れ里の奥には、 獣人の宝物が隠されている、広大な洞窟があるという。

アンティフォナ

他の国々がある大陸からはやや外れたところにある島国。
一年中咲き誇るうつくしい薔薇園が国を取り囲み、茨が国を守っている。
その薔薇園を管理しているのが、国の端にある魔女の館。
そこには「鐘鳴りの魔女」と呼ばれる女が、国を守るために今日も鐘を鳴らしている。
常に暖かな空気と静かな歌に守られた不思議な魔女は、 アンティフォナの有能な王子に何か弱みを握られているらしい。

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