きっとそう 鳥たちは この狭い世界の

広い広い遠い空まで羽ばたいていくんでしょう

だけど彼の翼はもう折れた

ここは姫君の唯一が住まう鳥篭の世界







君は覚えているかい?
遠く 幼い日々のこと
ふたり 転げて遊んで
僕だけが怒られたね

君は覚えているかい?
籠って書いた 秘密の地図
花畑のむこうの世界を
想像だけで旅したね

君は覚えているかい?
君が僕と結婚するんだと言ったら
お兄様が決闘を 僕に申し込んだね

そんな思い出も いつか偽りに変わってしまうの?
僕の嘘のせいで
君の手 君の目 髪の毛 くちびる
愛しすぎて 言えやしないよ

ずっとそばで笑っていたいよ
たとえ それが君の魔法でも
だけど、君の目が僕に言う
もう幕引きが近いと

君の目を見るのが怖いよ
扉を叩くのが怖いよ
そうさ、僕はもう気づいてる
ここが 朽ちた鳥かごの中だと

僕は我侭なの?
永久の夢に堕ちても
まだ君が欲しいとねだる

ずっとそばで笑っていたいよ
二人の世界を壊したくないよ
だけど、君はもう気づいてる
これが偽りの花畑だと






 

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