Story
町のむこうの丘を抜けると、世にもうつくしい薔薇園がある。
これまでに、何人ものひとがその薔薇を一目見に行ったけれど、誰ひとり帰ってこなかった。

好奇心旺盛な少女ララは、我侭な妹に頼まれて渋々と、でも内心は揚々と、
噂の薔薇園へとやってきた。
色とりどりの花びらが咲き誇るその庭園に魅入るつかの間、
茂みのむこうから聞こえてくるやさしいうたごえ。

なんてやさしくて、かなしいうたなんだろう。

誘われるままその声を辿って、少女が見たのは。
青白い肌の子どもを、その歌の中に融かしている、見るもうるわしい少年の姿だった。
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