愛しのお姫様の生まれたこの祝いの席で
素敵な贈りものを捧げましょう
「私は美徳を」「私はうつくしさを」「私は財産を」
未来の彼女に!
此れは…
ご機嫌は如何? 我らが王妃殿下
蛙の子は蛙だと言うけれど…
さて、この麗しい王女殿下は如何に?
私を呼ばぬとはいい度胸だね!
漆黒の衣装 纏い 風を掃っただけで
魔女と云う謂れはないだろうに
そこまで言うなら、陛下?
傲慢な貴方に この力どうぞお見せしましょうか!
破滅の鐘が鳴りし十五年後
運命を抱きし女神の糸紡ぎの針で
魅入られし処女が一人 野薔薇姫
永久の眠りに堕ちて 行く宛もなく…
「お待ちなさい!」
夢に堕ちた その野薔薇姫
不吉な呪い どうぞこの私めが
世の賢女が一人 十三番目の魔女よ
其の力…破りましょう
生誕の鐘が鳴りし百年後
水底に堕ちた姫の吐息薄らと
時が満ちて秒針を動かすのは
薔薇に認められた青年だろう!
破滅を演じる歴史の舞台
主演女優の名はこの私!
知られざる幕間劇の舞台
捧ぐ挨拶は目覚めの詩
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